正義のひき逃げをぶちかませ!

タツノコファイト

f^-^; 私は好きだけど…
ジャンル F・ACT
発売月 00/10
発売元 タカラ
定価 5,800円
メディア CDケース 1枚
クリア
1プレイ時間 30分
難易度 ★★★☆☆
マルチエンディング Yes?
音声 多め
メッセージ速度 速い

昔懐かしのタツノコプロのヒーロー達が、何故か格闘ゲームになって戻ってきたという1本。
メタルフィギュアや豪華パンフレット等などがセットになっている「タツノコファイトミレニアムBOX」なんてのもあったそうで、郵便振替用紙\4,500が同梱されております。(^^;
当方はぼーっとしているうちに申し込み期限を過ぎてしまったのですが、完全受注生産との事で、高価な限定版を設定して店頭の肥やしにするよりはよろしいのではないかと思いますです。

登場キャラはガッチャマン(の大鷲のケン)、キャシャーン、ポリマー、テッカマン、当該タイトルオリジナルのヴォルター。
今時の格闘ゲームにしてはキャラが少ないと思われるかもしれませんが、最終的にはゲゲッという状態になるのでご安心を。
ちなみに、こちらの販売元はタカラさんのせいか、バンダイさん絡みのタイムボカン系のみなさんは外れております。(^^;

当該タイトルの特徴として、ムービー系が非常に充実しているというのがあります。むしろムービーのおまけに格闘ゲームがついているという説があるくらいで、懐かしのオープニング・エンディングのテロップ無しバージョンやアイキャッチはもちろん、佐々木功氏や堀江美都子さんの楽しいオリジナルお歌付きのタツノコファイト専用OP&ED、最初からあったかのように電光石火ヴォルターのOP(高層ビルを破壊、倒壊させまくるという今のご時世的にはちょいとヤバげな内容)&ED(そもそも変身ヒーロー扱いではあるヴォルターの変身後しかゲームには登場しないので、変身前関係の絵を見ても意味がよくわからない(^^;)も付いてきます。(^^;;

オリジナル系の作画は良いと思うので当方的には気に入っていますが、実はオープニングの尺がお歌より若干長いのでOP開始数秒間は無音でびっくりしたのは秘密です。(--;;

でもってオリジナルストーリーも一応用意されていまして、それによると青年科学者バッテリングさん達のグループが次元の壁を乗り越えてパラレルワールドに接続する次元移動装置を発明、さっそく使ってみたらよりによって悪霊&妖怪大集合なジャレイザー帝国に接続。思わぬお客に大喜びの魔王ドクサイバー様は次元移動装置を強奪し、他の世界に侵攻を始めたのです。(^^;

ところが好事魔多しとでもいいますか、他の世界にも悪の怪人・組織・帝国・軍団がありまして、悪のあるところには正義のヒーローとやらもいるのでありました。(^^;;
こうして出身地も世界観もそれぞれの置かれた環境も違うタツノコヒーロー達(+バッテリングさんが変身するヴォルター)が集結できることになったのであります。そう、資本主義に不可能の文字はありません(^^;;。

格闘ゲームらしく各種モードはいろいろ用意されているのですが、最初はメインの5キャラしか使えないので、キャラを増やすために(^^; とりあえずは「ストーリーモード」から開始です。

ストーリーモードではメインの5キャラのうちから1人選んでプレイすることになります。
例えばガッチャマンを選択した場合、ギャラクターが暴れていると思って行ってみたら無関係の怪人だったとか、突如宇宙人が攻めてきた(^^; とか、ギャラクターの基地に行ってみたら、手前にブライキングボスの居城があったとか、ついに黙々と敵と戦っていた大鷲のケンもぶちキレて「ギャラクターであろうとなかろうと平和を脅かす敵とは戦うだけだ!」とか言って暴れ出しますが、ベルクカッツェを倒したらすっかり満足してしまい(^^;、カローチ(ヴォルターの中ボス)が言っていたダークインフェルノ作戦とやらの真の目的はわからない(というか仮の目的すら不明)のでありました、チャンチャン♪ といった感じになります。(--;

こうしてと「ギャラリーモード」にガッチャマンのOPとEDが追加され、「フリーバトルモード」&「トレーニングモード」で敵キャラ・ベルクカッツェと追加キャラ・白鳥のジュンが使用できるようになります。
これを残りメイン4人で繰り返すと、最初は5キャラしか使えなかったのが総勢15人になるという寸法です。(^^;

もっとも敵キャラ・追加キャラは「ストーリーモード」では使用できないので、実は同キャラ戦有りでラスボス無しの15連戦の「フリーバトルモード」の方がゲーム的にもプレイ時間的にもメインだったりします。

メイン5キャラでクリア後には「ファイナルストーリーモード」なるものも出現、ダークインフェルノ作戦の真の目的(太陽のマイナスイオンを集めることだそうですが、はて? (^^;;)とまた戦闘を5人分ばかりこなした後にラスボス(こちらからはメイン5人のうちから好きなのを選択)が登場、クリア後には「ギャラリーモード」にタツノコファイトのOPとEDが追加され、「フリーバトルモード」&「トレーニングモード」で最後のキャラ・ラスボスが使用できるようになるのでありました。(^^;

まあこんな感じでいろいろ盛りだくさんな当該タイトルですが、格闘ゲームとしてみた場合は良くも悪くも大味でアバウトで、キャラ性能格差がかなりあるゲームだったりします。(^^;

また近距離戦の詰めの甘い格闘ゲームにありがちな、飛び道具>>>>>>リーチの長い技>>>>>>通常技という図式が成り立ち、飛び道具の強いキャラが遠めからマシンガンモードに入るだけで、一部のキャラは成す術もなく大ピンチ状態に陥ったりもします。(^^;;

でもって一応各キャラそれぞれある程度原作の技や設定を引き継いでおり、それの恩恵を受けているキャラ、おもいっきり足を引っ張られているキャラの差も顕著です。(--;;

当方の場合、フリーバトルモードでカーソルがデフォルトであっている大鷲のケンを何気に選んで始めたら、一人目のポリマーに瞬く間に撲殺されてしまい(^^;;、CPU強ええ! と思ったら、何の事はない大鷲のケンが弱くて、ポリマーが強いのでありました。(--;

当該ゲームは、基本的に技が弱攻撃の連打くらいしか連続で繋がらず、ごく一部のキャラの弱必殺技がキャンセルに使える(確信なし(--;)くらいなので、単体技の性能がキャラ性能に直結します。

で、大鷲のケンの場合。出はまあまあ早い飛び道具を持っていますが、何せブーメランなので戻り(攻撃判定なし)の隙が大きく、飛ばせたら墜とされる(自分が)という感じです。(^^; 弱だと隙は少ないですが飛距離も数mといったところで威力もしおしお。
他の突進技はガードされると完全に相手にのめり込んでしまいますし、対空技もガードされたら悲惨です。そもそも技が連続しないため、連続技のしめという用途はないですし、いずれも1ヒット技なので削り性能は皆無に近いです。(^^;
超必殺技は、最初の攻撃がヒットすると相手に「科学忍法・火の鳥」でひき逃げアタックするというモノで当たれば威力は絶大ですが、ガードされたらそれまでです。全然削れません。(^^; そもそも最初の攻撃がリーチが短く、出した瞬間に相手に投げられてお終いというケースもよくあります。(^^;;

まあ、ガッチャマンは5人で1セットだからね…、と逃げたい所ですが、大鷲のケンのコンパチブルであるところの白鳥のジュン(技の構成はケンとほぼ同じ)が、スピードがあって技の隙が少なく、比較的技が繋がってキャンセルもかかる分、ケンの3倍は強いです。(^^;
又、こちらは超必殺が多段ヒットのダメージ技「竜巻ファイター」で、自分がノックバックしないため、相手を端に追い詰めた時の削りが強力です(ただし出がかりの隙は大きい)。

通常技もシンプルなのはいいのですが、キャラ全体からみるとリーチは平均以下。もっともスタンダードを目指したところ、他キャラがスタンダードを逸脱しまくったので相対的に見て弱くなったような悲哀が感じられるキャラです。

キャシャーンは、通常技は大鷲のケンと同等で2タイプの飛び込み系必殺技も少々扱いにくいです。が、当たっても有利にならないけれど、ガードされても不利にならない爆裂拳が強力で、しゃがんでいる敵にも当たるし、削れるし、対空にも使えるし、ゲージも溜まるし、こっちのパンチ部分にやられ判定も無いしで、飛び道具には勝てない事以外に特にデメリットがありません。(^^; 超必殺技の極太レーザーも超必殺技の中では屈指の使い勝手を誇ります。

キャシャーンの追加キャラとしては上月ルナさんが登場しますが、彼女は超必殺技の時に例の光線銃を撃つだけで他には特に何もしません。(^^; なぜなら代わりにフレンダーが戦ってくれるからです。(^^;; サムライスピリッツのガルフォードと犬の関係と思えばわかりやすいと思いますが、ガルフォードとの最大の違いはやられ判定も犬という点です。(--;;
犬ですが飛び道具も充実していますし、しゃがむだけで大抵の技はかわせます。(^^; 又、体力差負けの時は慰めてくるルナさんが、やられた時は見向きもしないのが人生前向きすぎます。(^^;;

オリジナルのヴォルターは、原作の制約がない分(^^; 立ち強キックが2段蹴りになっていたり、しゃがみ大足が対空技になっていたりと通常技の構成が他キャラと違うのが特徴です。
必殺技も威力が高くて使い勝手の良いものがそろっており、その中でも特筆すべきは威力が高くて、多段ヒット、出も早くてガードさせれば隙も無いレーザー光線でしょう。(^^;
通常必殺技にもかかわらずキャシャーンの超必殺技に準じる性能を誇ります。大きな違いはしゃがんでいる相手には当たらないというトコロでしょうか。が、総じて悪は座高が高い(含むテッカマン)ので悪を倒すという観点から言えばノープロブレムです。(^^;

ヴォルターの追加キャラは、ネオンという見た目色違いの女性キャラです。性能的には可も無く不可も無く、でも大鷲のケンよりは強いだろう(^^; ってな感じです。マニュアル曰く「その素性は謎に包まれており、明かされることはない。」そうですが、ストーリー部分をごっそりはしょっているのに素性も何もありません。(^^;;

破裏拳ポリマーは間違いなくこのゲームの最強格の一人で、強力で隙の少ない飛び道具、スクリューコマンドの必殺投げ、超必殺でオリコンもどきまで搭載しています。しかも複数ヒットする立ち強パンチの性質は、キャシャーンの弱爆裂拳とどっこい、しゃがみ弱キックの小足払いはリーチこそないですが、連打がきくのでリュウの地獄小足のような使い方が可能です。威力は中足払いぐらいありますが。(^^;
ポリマーの飛び道具は、本人が画面上方に飛び上がって消えた後に転身でひき逃げアタック(^^; をかけるというシロモノで、転身中は無敵、ガードさせた場合は少し離れた位置にポリマーが戻ってくるので隙は少なめです。しかもひき逃げがヒットした場合は、さらに2回転身して念入りにひき殺します。(^^;;
実はルナさん、というかフレンダーも同じひき逃げ技を持っているのですが、先読みされるとフレンダージェットが飛び越されて着地を狙われるのに対し、ポリマーは最初の転身が微妙な高さを飛ぶので飛び越しが困難という長所があります。(^^; 万が一、完全に読まれてもポリマーは接近戦でも強いので特に問題ありません。(^^;;

ポリマーの追加キャラ、南波テルは格好こそポリマーのコスプレをしていますが、全くの別キャラです。
技の判定はかなり強いのですが、威力がいずれも雀の涙。ただし攻撃判定が一回の技なら、飛び道具ですら返す返し技(^^; が強力です。

で、前述の「設定におもいっきり足を引っ張られているキャラ」の悲哀を一身に背負っているのがテッカマンです。
体が大きくリーチが長いのですが、その裏返しで図体がデカイぶん他のキャラがしゃがんでかわせる必殺技で削られたりします。(--;
技の攻撃力の平均は高い方ですが、その裏返しで技の出が遅かったりしてそもそも攻撃が当たりません。(--;;
まず槍で攻撃し、くらった相手にペガスでひき逃げアタックする必殺技は、相手にガードされたりスカった場合にはわざわざ槍を構えなおすため、うっかり出すと超必殺技で反撃されたりして地獄開始です。
しゃがみ強キック(テッカマンは強キックでもパンチ系の技が出る)は相手を転ばせるにはうってつけの技ですが、元々起き上がり側が強いこのゲームでは次の攻め手がなくて困ります。
一番の困りモノは超必殺技の飛び道具ボルテッカで、撃った後にテッカマンが弱ってうずくまる(^^; ので、ガードされた時はもちろん、状況によっては当たった相手の方が先に動けたりしてタダでさえ多い傷が加えて深くなることうけあいです。(--;;

テッカマンの追加キャラは天地ひろみ、ではなくアンドロー梅田です。声はクリカンではなく、悟空と同じとなっております。(^^; 追加キャラの中では唯一の男性キャラですが、彼でフリーバトルモードをクリアすると、梅田の代わりにひろみが入ったヒロイン大集合の一枚絵が出てしまいます。(--;;
キャラの性格的にはヨガテレポートが使えるガロンといった感じで、少なくともテッカマンや大鷲のケンより強いだろう、という風情であります。(^^;;

「フリーバトルモード」で15連戦もしていると、「考えてみると3分の2は正義陣営だよなぁ、『そんなことで正義といえるの?』とか『破裏拳流こそ最強!』とか言ってみんなぶちのめしちゃっていいのだろうか? というか正義って何だろう…」という気もしてきますし、仮にもタツノコさん側の公式見解としてのポリマーとテッカマンやガッチャマンの実力差は納得いきませんし、展開が単調&長すぎてダレてもきます。(^^;
キャラの動きのパターンが少ないとか、ヒーローサイドのキャラのシルエットがみんな似たり寄ったりとかいろいろありますが、格闘ゲーム部分が壮大なオマケ(本体はたぶんタツノコファイトミレニアムBOX)でタツノコファン同士の交友ミニゲームと思えばよろしいのかと。

もっともメインのムービーの画質は悪くはないが良いというほどでもないので、すでにビデオで持っているような筋金入りのマニアにはあまり喜ばれてはいないようです。(^^;


「ファイナルストーリーモード」のラスボスは、必殺技の削りや必殺投げの吸い込みまで無効にするバリアを持ち、超必殺技(画面全体飛び道具)をまともにくらうと60Hit、ガードしても体力ゲージの4分の1くらい持っていかれるという凶悪さを誇りますが、クリア後「フリーバトルモード」で使ってみると意外な事実が発覚します。

このラスボス、常に宙に浮いています。そのためかしゃがむことができません。が、下段のやられ判定が消えているわけではありません。しゃがめないので当然下段ガードもできません。(^^;;
足払い系や下段ガードの飛び道具は、前述の無敵バリア(コマンドは竜巻パンチ)で防ぐか、イマイチ反応の鈍いジャンプ等で逃げなくてはいけません。(--;
まさに「削り主体でしゃがみ強キックが対空技になっている」対ヴォルター仕様のラスボスと言えます。

となると強敵はフレンダーで、ほとんどの通常技がかすりもせず、立ち小足ぐらいしかまともにヒットしないという悲惨さ。
近年まれに見る豪快なラスボスに挙げたい御方です。


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