WILD CARD

バカおんな再び


 
 

カードといえば最近ではおおむねTCG(トレーディングカードゲーム)だそうで、
完全にキャラクターグッズの一種として確立してしまいましたね。ゲームの一種としてではなく。
 

AirとかKanonとかコナンとかエムブレムとかラングリッサーとかラブひなとかバキとかライダーとかシャーマンキングとかヒカルの碁とか幻想水滸伝とか…
 

なにかのファンとして買ってみたくはなれどゲームとしてやってみたくはならないとおもうあなたは極めて正常です。
異常なのは多少なりとも期待して懲りずにかじってみたりしてしまう私です。
 

と、いってもキャラグッズでないというか元ネタのないゲームなら面白いかというとんなこた全然ないんですが。
 
 

でも、普通はカードって言うとトランプのことを指します。

んで、ジョーカーをワイルドカード、いわゆる「切り札」といいますわな。
 

そんな前フリの中、今回紹介させていただくゲームは
スクウェア謹製のワンダースワンカラー用ソフト、「WILDCARD」なのであります。
 

ところでジョーカーすなわちワイルドカードのもうひとつの呼称をご存知でしょうか?
いやそんな小難しい話ではなくよく使う呼び方です。
 
 

そう、「ババ」ですね。
ペアが出来たら捨てていって最後にジョーカーを持っていた人が負けるという
ポピュラーなトランプゲーム「ババ抜き」でお馴染みの呼び名ですね。
 

んでは「WILDCARD」の結論から先に言いましょう。
「ババ引かされた」文字通り。
 
 
 

壱;バカおんな生誕
それは、すべてがカードで表現された世界。
 

「WILDCARD」の宣伝文句です。
私がこれから連想したものはカードヒーローのようなTCGタイプのゲームでありました。
冒頭にいうたように今やカードゲームといえばTCG。「WILDCARD」の発売はことしだし、
あながち間違った連想ではありますまい。というか普通だ。

が、しかし、このWILDCARD、
カードを使ったゲームではありましたが、カードゲームではありませんでした。
 
 
 
 

 
 
 

WSの埃を取って電源オン。
 

まずは質問にこたえることになります。
これでプレイヤーキャラクターが決まるそうです。

しかしその質問。

車を買うとき、一番のポイントは?

フィーリング
性能
お値段

サッカーのゴール、決めるなら

超ロングシュート
オーバーヘッドシュート
どっちでもいい

どっちが好き?

ラブ
ブラ
はずかしい

すまんがこっちから質問させてくれや。
…なに考えてこの質問つくりましたか。

質問の内容、ゲームと全然関係ないし。俗に言うファンタジーなのにな。

オウガバトルのウォーレンの質問の対極にあるよな。コクも深みもない。

こんな質問にいったい何の意味があるというのか、■よ。

(答ありませんでした。
誰がプレイヤーキャラクターに選ばれようがセリフが少し異なるだけでおおまかな話は同じです。よくあることだ。

 

とにかくメンタリティが幼稚園児未満の質問の数々に耐え抜くことによってプレイヤーキャラクターが選ばれます。
 
 

エカテリーナ・ディヴァース 19女
光の神の神官。王国の大商人の娘だが
親の反対を振り切って神官になったばかり。
信仰に燃えている。
 
 

「神よ、願わくは私の前に姿をお現しくださいませ…
 

「なんて大きな流れ星!
私の願いが神に届いたんだわ
普段の行いのたまものね。

「さっそく神を探しに出かけなきゃ(はぁと)
 
 

さっきの質問ともあいまっていいかげんシナリオライターのドタマかち割って中身を確認したくなったんやけど。
なにがつまっとるんやろね。
 

尚、別にこのエカなんちゃらいう尼がギャルゲにたまにおったりする電波系とかいう役割なわけではなく、
どいつもこいつも似たようなメンタリティで、こいつに負けず劣らずのイカレた理由で旅に出るので安心です。
 

「何かしなきゃ、このままじゃダメだ、とにかく何かはじめよう!」

とか。彗星を見たことがどうしてそんな発想につながるんですか?
…というか、どこの専門学校のCMですか。
 
 

あ、何が安心かって、
それはもちろん例の質問の結果でこの電波な尼が出てきたってことは俺の性格は電波っつうことかい!
とかいういらん心配は無用っつうことですわ。
 
 
 

弐;バカおんな出立
 
まあ理由はともかく旅に出たバカ女。(としかいいようがねえよ)
まずはお約束どおり町に出て仲間を探します。

「前進」カードを使って酒場にやってきました。
「見回す」カードを使ってあたりを見ます。
「アクション」カードを使ってめぼしい奴に話し掛けて仲間にしました。

もう一度「見回す」
ついで「アクション」

「××の洞窟にモンスターがすみついたらしい」

「ミッション」カードを手に入れました。
 

装備を整えるのもお約束ですね。
「前進」で道具屋へ。
「アクション」で商人にはなしかけ、
「薬草」カードを買いました。
 

準備万端整ったら町を出てミッションへゴー。
「前進」で進みます。
おっと「ゴブリン」があらわれたぞ!
「棍棒」で攻撃してきたぞ!
反撃だ!剣技「逆風の太刀」を使うぞ!

(中略)

よし!やっつけたぞ!
ではあたりを「見回す」ぞ。
おっと「宝箱」だ。
では「調べる」ぞ。
おっと罠があるようだ。
では「トラップ解除」だ。
「銅貨」が出てきたぞ。
「アクション」で拾おう。
 

では改めて「前進」だ。

 

…はい、もういいかげんいいですね。
すべてがカードで表現された世界というのは、つまるところ、
今までコマンドであるとか、道具であるとか、そういう別の形をとっていたものを
カードに置き換えただけ。
 
 

いや、むしろ、ゲーム内のもの全てを同じ寸法の四角い枠の中に入れただけ
とでもいいましょうか。
そしてそれをカードと言い張る。すばらしい。
 
 

そこまでしてなぜ言い張るのかいろいろ邪推してしまいますね?
どこの木の下の鰌狙ってますか?
 
 

参;バカおんな人生万事塞翁が馬
 
が、まあただカードと言い張るだけであればあざとさが目に付く以外は許容範囲なんですが、
WILDCARDの場合、カードであることが癌にしかなっていないというありさまですから救いようがありません。
 

えーとつまり、カードなので枚数があります。

要するに回数制限があります。
 

呪文だけならともかく、通常攻撃にも鍵あけにもあげくは逃走にも。もうなんでもかんでも。
例外は「前進」「見回す」「アクション」のみ。

しかも現時点ではまだ駆け出しのザコの我らがパーティ。
攻撃回数が一人当たり5回くらいしかない始末。
 

ザコ敵をを5,6匹も倒せばその時点で攻撃カードを使いきり、
その後敵に遭遇すれば文字通り手も足も出ません。

ボコボコになりながら意味もなく「前進」したりして
山札が尽きる(WILDCARD用語で、時間切れの意)まで耐えるしかありません。
 

まずムリだけど。

というか耐え切れなくて電源切るけどね。
 

ここでWSが壁に激突。不可抗力だ。
 

しかたがないので次は「逃げる」カードを持っていそうな連中を中心にスカウト。
なんとか逃げまくって時間切れに持ち込みましたが、
当然、ボスは倒しようもなかったのでミッション失敗とかでゴミのような経験値しかもらえず、
攻撃カードの枚数はほとんど増えません。
 

以後、この地味な作業を延々とくりかえす羽目に。もうやだこんなゲーム。
 
 
 
 
 

そしてあれからどれくらいたったでしょうか。
ようやく攻撃カードが余るくらいにまで成長したパーティは
敵の弱点属性をついた攻撃を仕掛けるようなちょこざいな真似も出来るようになり、
それまでの苦労はどこへやら、むしろ今度は簡単すぎるぞおい、ていうか真ん中がねえよ。とか思いつつ、
いつものようにミッションをクリアしたら、選択肢が出てきました。
…おっといかん、ここは全てがカードで表現された世界でしたっけね。
そう、3枚のカードが出てきました。

なんでも「帝国騎士団」がどおとか「闇の宗教」がどおとかいう内容で、どれか選べとかいうことだそうで、
おもむろに「闇の宗教」とかいうのを選んだら、
いつかどこかで見た映像がスワンに映し出されました。
 

それはまさしく遠い昔のオープニング。彗星がおちていく様でした。

そしてその昔仲間を探していた時に見たことのあるようなツラが出てきてこんにちは。
バカおんなに勝るとも劣らないステキこの上ない理由で旅に出ました。
 

なんですか、つまりは今からはこのキャラでやれと。
 
 

しかも現時点ではまだ駆け出しのザコの我らがパーティ。
攻撃回数が一人当たり5回くらいしかない始末。
 

ザコ敵をを5,6匹も倒せばその時点で攻撃カードを使いきり、
その後敵に遭遇すれば文字通り手も足も出ません。

ボコボコになりながら意味もなく「前進」したりして
山札が尽きる(WILDCARD用語で、時間切れの意)まで耐えるしかありません。
 

まずムリだけど。

というか耐え切れなくて電源切るけどね。
 

ここでWSが壁に激突。不可抗力だ。
 

しかたがないので次は「逃げる」カードを持っていそうな連中を中心にスカウト。
なんとか逃げまくって時間切れに持ち込みましたが、
当然、ボスは倒しようもなかったのでミッション失敗とかでゴミのような経験値しかもらえず、
攻撃カードの枚数はほとんど増えません。
 

以後、この地味な作業を延々とくりかえす羽目に。もうやだこんなゲーム。
 
 
 
 
 

そしてあれからどれくらいたったでしょうか。
ようやく攻撃カードが余るくらいにまで成長したパーティは
敵の弱点属性をついた攻撃を仕掛けるようなちょこざいな真似も出来るようになり、
それまでの苦労はどこへやら、むしろ今度は簡単すぎるぞおい、ていうか真ん中がねえよ。とか思いつつ、
いつものようにミッションをクリアしたら、選択肢が出てきました。
…おっといかん、ここは全てがカードで表現された世界でしたっけね。
そう、3枚のカードが出てきました。

以上、コピペ。そして繰り返す悪夢。
 
 

四;バカおんな進歩せず。
 
…そんなことをもう2回ほどして、もう一度バカおんなに出番がまわってきて、
しばらくするとミッション選択時に「ラストダンジョン」のカードが加わりました。
 

なんの脈絡もなく。
 

まあいいかげんアレなんで、(ここまで15時間)それを選択する俺。
 

しばらくダンジョンをうろうろしていて山札が尽きたと同時にラストダンジョン突破、
ラスボスとご対面です。
 

とにかくいろいろあってやっつけるとエンディング。

するとバカおんな曰く、

「女神様はいなかった…私の信じてきた世界ってなんだったの?
「いいえ、チャンスはまたやってくるわ、きっと。
希望を捨てずに生きなきゃ!
 

そしてスタッフロール。
 
 

ないほうがマシなエンディングはペルソナ2以久し振りですわ。

というかどこの電波君ですか、このセリフを考えたのは。

 
結論はすでに冒頭で述べているのでここで繰り返すようなことはしません。
ただ、スクウェアには一言だけ言いたい。

その、非常に言いにくいんですが、スクウェアの現状はなんでもFFの赤字をWSのリメイクで茶を濁しているとのこと。
それならそれでいいんです。過去の遺産を食いつぶすなんてことはどこでもやってることですから。
そのこと自体を悪いとはいいません。

ただ、こんなシステムもシナリオも狂ったゲームでもとりあえず作っておいて、

「過去の遺産を食いつぶしてるなんてとんでもない。WSでもちゃんと新作だしてるもんね。」
とかいうポーズをとるのだけはやめてくれませんかね。
 

その方がお互いのためだと思いますけどね。


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