当ゲームが発売された年のゴジラの新作は
「ゴジラ」
この作品はゴジラ以外の怪獣がまったく出ず
怪獣同士の対決が主だったゴジラ作品の中ではゴジラの脅威を前面に押し出した
異色の作品となっています
はたして人類はゴジラを退けることができるのか?
■ゲームストーリー■
木星でデッカイ基地発見! どうやら宇宙人が地球への侵略を目論んでいるらしいよ。 すでに月まで基地をこしらえちゃって さぁ大変! 地球政府はゴジラとモスラを月に派遣した。 |
僕のゴジラが思いっきり地球人の手先になっちゃってます。
「あのゴジラがファミコンで登場!飛んだり跳ねたり原作の枠を超えて大暴れ!」
そんなキャッチフレーズを想像してボクは恐ろしくなりました。
ははは、臆病者だなぁ、
FC時代のゲームをナメてはいけない
この頃のキャラクターゲームというのは大きく分けて二つの系統があります。
原作を重視しすぎてゲームになってないものと
とりあえず版権取ったから、このキャラ使って適当に作っちゃってよ
てな奴です。
原作の雰囲気を再現し、ちゃんとゲームになっているのもありますが
それは奇跡と言います。
電源を入れると
お馴染みのゴジラのテーマが鳴り響きます。
GAME START!
サイバーチックでカッコイイBGMが鳴り響きます。
「あのゴジラがファミコンで登場!飛んだり跳ねたり原作の枠を超えて大暴れ!」
否が応でも僕の脳裏にそんなキャッチフレーズが横切ります。
ウォーゲームのようなマス目がいっぱい出てきます。
これが戦略画面であり
この画面でゴジラとモスラのコマを移動させて
転送装置のところまでたどり着けば次のステージへ進みます。
他の怪獣のコマに接触するとタイマンモードに入ります。
われらがゴジラの移動力は「3」あります。
よし!上に移動だ、荒地-2、
残り移動力+1次はどこに行こうか?
上:山岳-3 | ||
左:荒地-2 | ■ゴジラ■ | 右:森林-2 |
下:荒地-2 |
コレでは一歩しか進めません
欲張りな僕はたった一歩で満足できるハズがありません
よしっ!もういちど移動しなおそう
上:荒地-2
下:森林-2
右:山岳-3
左:山岳-3
ちょっとゴジラの周囲を見てみた
普段ロクなことに使わない僕のスーパーコンピューターが
あっという間にその全行動パターンの計算式をはじき出しました。
どう移動しようがゴジラ一歩しか進めないジャン!!
しょうがないのでその場で移動終了。
戦略マップで移動終了をすると横スクロールのアクションステージに入ります。
ズシンズシン地響きを上げながら登場するゴジラ
おおっ!デカイ
当時のファミコンゲームでは異例のデカさ、
戦車がやってきて”豆”を撃ってきます。
ビクともしないゴジラ、
ゴジラキックで戦車粉砕!
さすがはボクのゴジラ、無敵です。
今度は戦闘機がやってきてミサイルを放ってきます。
「はっはっは怪獣王ゴジラにそんなチンケなミサイルが効くか!」
「チュイー」
思いっきりのけぞってます。
イヤ、それよりも今の悲鳴はいったい何のつもりだ?
そんなことを考えているまもなく
もんどりうって痛がっているゴジラに、先ほどミサイルを撃って来た戦闘機がそのまま体当たりしてきます。
Oh!カミカゼ!
この手のアクションゲームの主人公は
生命にかかわる様な衝撃を受けると体全体が気化するという
特異体質を大抵の人が持っています
「あっボク、ダメージ受けてる」的に解りやすく
「よーし、今度は気をつけるぞ!」的に建て直しが容易であることから
ファミコン時代は当然のごとく、この特異体質の持ち主が幅を利かせていました。
ボクのゴジラはそんな特異体質ではありません
のけぞっている間は操作不能。
さらに後から後から雑魚キャラが沸いて出て来て
ぶっ放したミサイルとともにカミカゼ特攻!
「チュイーチュイーチュイー」
かわいい雄たけびを上げてボコボコにされてるゴジラは
もはや、僕の知っているゴジラではありません
やってくれたな東宝動画!
一気に十発くらいのカミカゼ特攻を受けましたが
ゴジラのライフメーターは一ミリほどしか減ってません、
しぶとさだけは映画なみです。
ごり押しはマズイ!いつまでたっても画面端から移動できないゾ!
短い手足で慎重にミサイルや戦闘機を叩き落とすボクのゴジラ
一発でも食らうと連続カミカゼ特攻で画面端までボコボコにされます。
人生はワンツーパンチ♪一歩進んで〜♪二歩下がる〜♪ |
ゴジラの行く道は一歩進んで十歩くらい押し戻されてます。
それでもゴジラは着実に進んでいます。
そ・の・秘・密・はっ!
秘密1.
いちどスクロールすると戻れない
少しでもスクロールさせることができれば僕の勝ちです
秘密2.
まず死なない
かれこれ30発くらい攻撃を食らいましたが
4/1も減ってません
秘密3.
敵を倒した分だけ次のステージでライフメーターが回復
もちろん特攻して散った敵の分もカウントされてます。
余程の事がない限り全回復してます。
敵怪獣のコマと接触するとタイマンモードに入ります。
もちろん僕のゴジラは逃げるなんて選択肢は許しません
っていうかゴジラが一歩しか進めないのに
敵怪獣は地形効果を無視してニマスとんで来るので逃げようがありません
別に避けたら避けたで、その分、しちメンドくせーアクションステージが待っています。
「ワープ装置まで一直線!邪魔するヤツらは皆殺し」
気がつくとゴジラ戦法を展開している自分がそこにいます。
プレイヤーにゴジラと一体化させる東宝の策略にまんまとしてやられました
「とりあえずウリがないからマス目を移動させてSLG風味でやってみたってかんじー」
と身もフタも無い考えが脳裏を横切りましたが
東宝さんには深い考えがあるはずです、
僕は東宝動画を信じていますっ!
◆よしっ、ぶっ殺してやる!の巻
ズシンズシン左右から僕のゴジラと対する敵怪獣のモゲラ
デカキャラ同士のバトルが始まります。
「怪獣王ゴジラの強さは半端じゃないぜ!」
モゲラ 目からいきなりビーム!
ドカン!キュイー
間髪いれずにビーム!ビーム!ビーム!
キュイーキュイーキュイー
しゃがめばモロ顔面にヒット!
跳べば足に食らって引きずり落とされます!
ビームを出されたら避けようがありません
ビームが尽きると信じられない跳躍力でゴジラにとび蹴り!
のけぞってる間にパンチ!パンチ!
画面端に追い詰められて一方的にボコボコにされてるボクのゴジラ、
「大変だ!僕のゴジラがやられちゃう!」
徹夜明けの僕の耳に妖精がささやきかけます
「パワーメータが満タンだわ、今よ!そこのセレクトキーを押すのよ!」
背鰭がビカビカ光ります。
ゴジラは放射能発射のため口をあ〜んしてます。
放射能発射!
べコーン!
一気にモゲラのライフメーターが半分くらい持っていかれてます。
「サービス精神満点の破壊力ゥ!」
今までミリ単位でしかダメージを与えてなかったゴジラパンチとは比べ物になりません
「スゴイや!やっぱり僕のゴジラだよ!」
このタイマンバトルには、いちおう制限時間が設けられていますが
ビカビカ砲(放射能発射)がもう一発吐けるので安心です。
今、この瞬間、
ひとつの光が生まれ、 ひとつの光が消えていった。 光と影が織り成す小さな銀河の輝きに あなたは目をそらす事は出来ないだろう
|
敵怪獣のライフをゼロにすると
荘厳なBGMとともにキラキラ輝きながら土に潜っていきます
それはまるでスーパーアイドルのごとくゴージャスな死にざま
敵怪獣いえど子供たちにとってはスーパーアイドルです、
東宝のキャラクターを大事にする姿勢に僕は感激です。
もしかして爆発を表現したかったのかな?
とか下衆な勘ぐりは東宝動画に失礼というものです。
◆真実のテーマの巻!
ゴジラの快進撃は続きます!
一見ボッコボコにやられてますが
まったく致命傷にいたることなく
余裕の進撃、
「お前ら、弱すぎ」
そんなゴジラの声が聞こえてきそうです
ゴジラを見掛け次第カミカゼ特攻!
ゴジラを倒すことよりも足止めに徹する
消極的な侵略者、
惚れてしまいそうです!
そんなある日、ボクのゴジラはいつものようにアクションステージで大暴れしてました。
そこでふらふらと中を漂うクラゲがやってきました。
「なんだこれ?」
何も考えずにパンチ!
なんてったってボクらの怪獣王,
どんな兵器だろうがへっちゃらさっ!
今、この瞬間、
ひとつの光が生まれ、 ひとつの光が消えていった。 光と影が織り成す小さな銀河の輝きに あなたは目をそらす事は出来ないだろう
|
あれ?ゴジラが死んでる?
悔しさや恐しさよりも謎と疑問が僕の頭を飛び交っています。
説明書のステージ紹介に、この謎を解くカギがありました。
「敵のヒコーキや高射砲、宇宙に垂れ流した核廃棄物までもがゴジラの進路を妨げる!」
あのクラゲがヒコーキや高射砲でないのは一目瞭然です。
地球の送り込んだ最強の怪獣ゴジラは
地球が宇宙に垂れ流した核廃棄物によって倒されてしまいました。
人類の希望を託したゴジラの脅威は
キングギドラやガイガンといった強敵怪獣ではなく
人類が宇宙に垂れ流した核廃棄物だったのですっ!
そう!太陽系の星々を巻き込む一大怪獣スペクタクルゲーム
「ゴジラ」に秘められたメッセージは
「ゴミのポイ捨てはいけないゾ!」
というエコロジー精神に訴える作品だったのです!