目標までの向きと距離を目で測りながら、両足のスタンスを固めて、クラブをグリップし
て、ヘッドの向きを確かめて、あとはどれくらいの力で打とうかと考えるとき、まわりの
音は何も聞こえません。そしていつもの練習どおり無心でスイングして手のひらにイ
ンパクトの感触が伝わった瞬間、「カチン」という音とともにボールはスルスルとホール
ポストに向かっていきます。そのときやっと、たとえば、ながいこと水に潜っていて久し
ぶりに水面に顔を出したときのように、まわりのいろんな音が聞こえてきます。そして
ボールが止まったところまで同じグループの人たちと、他愛もないことをおしゃべりしな
がらゆっくりと歩いていくのです。